クリプトコッカス症とは!?

アメリカの報告によれば土バトが伝播する主要な疾病としてクリプトコッカス症、脳炎、サルモネラ食中毒等が挙げられています。
このうち最も問題になるのは、クリプトコッカス症です。土バトの糞中から定常的かつ高率に分離されるCryptococcus neoformansという完全菌類に属する真菌によって発症する。感染経路は、土壌中に分布する本菌が土バトの糞中で特異的に増殖し、糞の乾燥によって空気中に飛散し、これを吸収すると肺に侵入して初期感染巣を作り、のちに全身に及びほとんどの患者が死亡する。
クリプトコッカス症は、日本では年間50例ほどを数え、初期感染病巣のほとんどは肺。初期症状は、激しい頭痛・めまい・おう吐などがみられます。
菌そのものは自然界に存在していたが、どのような条件下で増殖するかが問題でした。しかし、研究の結果、「クリプトコッカス・ネオホルマンス」は、土バトの乾燥したたい積フンでのみ増殖することを突き止め、飛散した菌が人間の呼吸器官から体内に入って肺で初期病症巣をつくり、さらに血管を通って、最終的に脳の中枢神経を侵す一連のメカニズムを解明しました。